開口障害
- 術後の内出血
- 術中のコンタミネーション(創部の汚染)
- 骨膜反応(術中の骨切削による刺激から骨新生に至る過程)
- 緊密縫合による内圧の亢進
- 極稀ではあるが、皮下気腫(口腔内の組織間隙に空気が入り込む)
- 腫瘍が組織間隙に波及
- 切開のミスなど、術者の技術・経験不足
親知らずを抜歯した後、「口を大きく開けられない」「口を開けづらい」「口を開ける際に違和感や痛みを感じる」などの症状が出る場合があります。
これは、親知らずの抜歯による炎症(腫れ)が、口を開け閉めする「咀嚼筋」という筋肉に及んでしまったために起こる症状です。
親知らずの抜歯後は身体の防御機序により炎症がおこるため、歯を抜いた後の腫れはある程度は避けられませんが、歯科医師の技術によって術後の炎症を抑えることもできます。
当院では、抜歯後の腫れや炎症を最小限に抑えるための親知らず抜歯テクニック、「河合式即日スピード親知らず抜歯法」による抜歯を行っております。
親知らず抜歯後の開口障害の原因と対処法
親知らず抜歯後の開口障害は、炎症による腫れが原因の場合ですと、通常は痛みや腫れの症状と同様に1週間~10日程度でおさまります。
しかしながら、10日以上経過しても症状が治まらない場合、顎関節症を発症している可能性もあります。
親知らずの抜歯後に顎関節症を発症してしまう原因としては、抜歯による炎症が顎関節まで波及することや、抜歯によって噛み合わせが変化したことで、今までとは違った筋肉や骨に負担がかかってしまう等といったことが挙げられます。
顎関節症を発症してしまった場合、しっかりと診査診断したうえで、マウスピース治療(スプリント)や薬物治療、外科的治療、近赤外線(PBM)による治療、かみ合わせ治療などを必要に応じて行っていきます。
開口障害の発症を防ぐために
開口障害が起こる主な原因は、親知らず抜歯後の炎症(腫れ)や痛みであることがほとんどです。
親知らずの抜歯後に炎症(腫れ)や痛みが出る原因としてはさまざまですが、主に下記のような理由が挙げられます。
上記のうち最大の要因は7で、それにより1~6が引き起こされるといっても過言ではありません。
当院では下記のような技術により、親知らず抜歯後の炎症(腫れ)や痛みを最小限に抑える工夫をしております。
傷口への菌の侵入リスクを抑えるために、歯を割らずに抜きます
歯を割ってしまうことで、抜歯後に傷口へ菌が入り込む可能性が高くなります。
すると患部に痛みが出たり、腫れや治りが遅れる原因となってしまいます。
なるべく患者さまの身体の負担を減らすため、河合式スピード親知らず抜歯法では歯を割らずに抜歯を行います。
1本あたり最大10分。低侵襲の抜歯技術
抜歯後の腫れや痛みは、手術に要する時間と比例すると言われています。
これは、親知らずを抜く際に、あごの骨を削ったり歯茎を切開したりするといった外科的な侵襲を加えるため、体がその侵襲に対して治そうと働きかけて炎症反応を起こすからです。
当院では20年以上の抜歯経験の中で培った経験と特殊な器具による施術法によって、1本あたり最大10分以内で抜歯ができるよう努めております。
極力出血をおさえる術式
実は、抜歯の際に用いる麻酔には止血剤が含まれています。
これはどの医院でも同じですが、そのうち方によって効果のあらわれ方が全く異なります。
当院では、麻酔が持っている止血効果を最大限引き出す施術を行っています。
腫れにくい減圧縫合
親知らずの抜歯において、痛みの次に嫌われるのが「腫れ」です。
顔が変形するほどに腫れてしまう原因として、きつく縫い合わせることで患部に血がたまる「内出血」が挙げられます。
当院では、減圧縫合と呼ばれる、血を適度に逃がす縫合法を採用しているので、術後の腫れは起きにくくなります。